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2000 02,17 13:00 |
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それは、恐怖という名の愚かさ
誕生 憎めない悪役 燈海高校3年A組、学級委員とその親友の会話 か弱いの定義につて 見えてはいけないもの 詩人、あるいは変人
「そう、俺は天使だ。だけど、たとえ天使でも、悪魔を倒す力を持つには、彼らと同じ強い「力」を人々の前で振るわなきゃならない」 「英雄」「神の使い」かつてそう呼ばれた彼は、寂しげに笑った。 「その強い「力」が自分に害を及ぼそうと及ぼすまいと、人にとって「力」は脅威なんだ。人々のために力を振るうということは、そういうことだ。・・・過ぎた力は迫害の対象になる。それは、どの世界でも同じことだ」 堕天使ルシフェル。それが彼の今の名だった。嫌悪と忌避と恐怖の感情をこめられて囁かれる彼は、その昔、世界を侵さんとする邪神たちと最も勇敢に、苛烈に戦った者だった。 世界を救った代償に、あまりに酷い仕打ちを贈られた彼は。 世界に轟く数々の逸話とは裏腹に、儚く、ひっそりと微笑った。
「俺一人で世界を救おうとした事の、これが代償だ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 誕生
「美しいだなんて。よくもまあ言えたもんだわね?美しいから何か良い事でもあるのかしらぁ?なんとかおっしゃいこの●×△◆野郎」
凄まじい勢いで男のこめかみをごりごりと削る。男は白目を剥いて悲鳴を上げる。 そこに、怜悧な、氷刃のような凄まじく美しい声音が響く。
彼は、誰もが息を呑むほど美しい顔立ちをしていた。
美女が男をぽいと放り捨て嬉しげにそう唱和する。
「ええ!そうよその通り!私は美しくなんかないんだわ!」 満面に喜色を満たして言う彼女は誰より幸せそうで誰より綺麗だった。その側に立つ、男を除いては。 そんな現実逃避に魂を飛ばす青年の傍らでこめかみを抉られていた男が目を覚ました。
「あんたのデブナス顔のドコが美貌ですって?あぁ~ん?あたしは自分の顔が褒められるのは嫌だけど事実以外で貶されるのももっと嫌いよ」
神様、やっぱマゾじゃなくてサドだったようです、それも超級の。 世間では彼もサドとして扱われているという濡れ衣もいいところな事実を、日常的な《イケニエ》たる彼はまだ知らない。
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「あたしって弱いでしょ?」
「なあ・・・聞いてほしい事があるんだ・・・」 本を読んでいると、前の席に座った我が親友にしてバイト禁止の我が校で隠すまでもなくバイト三昧の悪友、学校一の守銭奴だといわれている人物にして出会って半年のクラスメートが真剣な顔で声をかけてきた。
真剣な顔で言う悪友の言葉を一瞬理解できなかった。 その意味を理解した後もしばらく頭の中で物凄い葛藤の嵐が吹き荒れたが、それがようやく収まって、とりあえず無難な答えを返す事にした。
忍者である。 それが、夜寝ると必ず天井にはり付いて寝首を斯くのだ。毎日。 そしたら 「おのれ!門外不出の忍びの術を私利私欲のために使い、私腹を肥やすクズどもが!」 とか罵られたのでじいちゃんに聞いてみたら、俺が罠のかけ方とか合気道だとか思ってたのは忍術だったらしい。 それから俺はたびたび忍者に狙われる様になった。 嫌がらせの質を上げるべきか?と思って、とりあえず出会って半年で親友になったクラスメートに事情を説明して、学校内で一番変人にして一番優秀、一番非常識で我が道(ゴーイング)を(マ)征(イウ)く(ェイ)頭脳を使わせてもらうことにした。 どう説明したものか・・・考えこんだ末にそのまま話すことにして、俺は奴に声をかけた。
慎重に口を開く。
すると奴は無表情のまま俺を見つめて3秒ほど黙り込み、そして言った。
すぐさま脳裏にツッコミがスパークし、とりあえず俺はその衝動を抑えるため叫んで暴れた。 「ファァアァァァァァアアアアアァァァック!!!!!」 その後奴に卍固めを食らわされ、いつも思うがなんでこいつはインテリの癖にこんなに強いんだと突っ込みながら俺はノックダウンされた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ん?」 「見えませーん」 「見るなっ!」 「えー」 「えーじゃないっ!」 「良いじゃないですか先生、先生がちょっと右に動いてくれるだけでばっちり見えますから」 「動くかっ!」 「せーんせー」 「何だっ!」 「邪魔」 「ぐはッ!?先生の傷つきやすい心を壊す気か!?」 「うん」 「生徒が苛める!?」 「せんせー、だから邪魔だって」 「くっ、動かんぞ!」 「見せてよー、3歳の先生のお遊戯」 「ぜっっっっっったい見せん!おのれ校長ォォォォ!!!」 人をおちょくるのがだーい好きな校長と、とってもおちょくりやすい先生「達」のいるこの学校では、生徒は退屈なんてしないのです。
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「おお、私の食べたいもの、それ即ちこの身の欲しがるもの。 「中華の炒飯が食べたいんならそれだけを言わんかっ!」 「無駄でございますよ。『何で自分が注目されてるんだ、穴があったら入りたくなる。何で注目されてるのか教えてくれ』と、意訳するとこのような感じでしょう、注目されているのは貴方が馬鹿だからです」 「おお!真実の荒野へ解き放たれた私はその余りに酷い光景に目を奪われる! 神よ、神よ!この余りに酷い真実を知った私に慈悲を与えたまえ!いずこかで行われるサバト、子羊たちの悲鳴をどうかお聞き下さい!ああ光よ、正義の下へ!そしてしがないくすみの一端である私は光に照らされ、陰に隠れて光線の嵐を見送るのです」 「恥ずかしいからどこか別の場所で揉め事が起こってくれたらその隙に逃げよう、と」 「お前がそのキチガイじみた台詞を吐かなければ済むことだろうがっ!」 「無駄です。彼の思考回路はおそらく異次元を彷徨っておられます。貴方より一週間だけ付き合いの長い私は、3日目で既に諦めました」 「おお!私の左右に咲く美しい花々よ!真実の荒野に住む麗しい小鳥達よ!貴女方の眼差し、言葉が私に向くだけで私は至高の喜びを得ることが出来る!それ即ちヴァルハラであり」 「俺は男だっっっっっ!!!!!!」 「無駄でございます」
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